お知らせ

「一鳴きはどうしてダメなの?」

先日、麻雀を始めて4年ほどになる女性の受講者から、以下のような質問をいただきました。

「麻雀を覚えたての頃に、一緒の卓になった男性から “役牌は一鳴きはダメだよ。2枚目が出るまで待った方がいいよ” と言われました。その後は言われた通りに1枚目が出ても鳴かずに2枚目が出るまで待つようにしています。でも、なぜ1枚目で鳴いたらいけないのか、いまだに理由がよく分かりません」

回答:
自分の手の中に役牌(白・発・中・風牌)がすでに2枚あるときに、はじめて場に捨てられた同じ牌をポンすることを一鳴きと言います。これに対し2枚目をポンするのが二鳴きです。
麻雀中級者の中には「二鳴きが原則だ!」と声を高らかに言っている方が少なくありません。おそらくそれは「2枚目をツモってくる可能性があるのだから、1枚目は見送ってメンゼンをキープした方が良い」というのが理由だと思われます。

しかし、ちょっと考えてみましょう。
そもそもポンやチーなどで鳴くのには大きな目的があります。それは、自分のテンパイのスピードを早めることに他なりません。ですから、早くアガリに向かうために行うポン・チーを、ツモる保証もないのにわざわざ一回見送るというのは、かなり非効率な行為です。
ならば、役牌を2枚持っていたら何でもかんでも1枚目で鳴いていけば良いのでしょうか?・・・答えはNOです。
何故なら、鳴くという行為には大きなリスクが潜んでいるからです。

鳴けば鳴くほど捨てることができる牌の数は減り、守りが弱くなっていきます。さらには、鳴いていなければ安全牌になったかもしれない役牌が、鳴いてしまうことで捨て牌の選択肢から外されることにもなります。もし2つも3つも鳴いてしまったら、手の内に残った僅かな牌のどれかを捨てなければならず、守りも何もあったものではありません。
つまり、鳴くというのは、その時点で勝負に出ているのと同じであって、もう後戻りはできない行為なのだということを自覚すべきなのです。

では、鳴きの良し悪しは何で決まるのでしょう?
それは、攻めに戦略があるか否かにかかっています。
例えば、配牌で役牌のトイツが2つあって、さらにマンズが6枚以上あるというホンイツを狙えるような形ならば、鳴くことでスピーディにアガりを目指せる可能性がありますから、役牌は一鳴きでどんどんポンし、マンズもポン・チーで一気に固めていくという流れにした方が良いでしょう。
要は “鳴き” は振り込みのリスクと背中合わせにあるわけですから、いったん鳴いたのなら、一気にアガりまで攻める気持ちで打つことが大事なのです。
だから、アガれる見込みの薄い配牌であるにも関わらず、とりあえず役牌だからポンしておこうかな・・という戦略の無い鳴きを行うことは、絶対にやってはいけないのです。
スピーディにアガりを目指すことを決めたら一鳴きでもどんどん攻める。逆にじっくりメンゼンで手づくりを進めていって誰かがリーチをしたら潔く安全にオリていこうと判断したらポン・チーはしない。この2つの切り替えを明確に行うことがとても重要になります。

はじめの質問に戻ります。
「一鳴きはどうしてダメなの?」という問いに対する答えは、「一鳴きがダメとは一概に言えない、むしろ鳴くと決めたら一鳴きだろうが一気に攻め込む」ということになります。
一番良くないのは、目指す戦略もなく、ただ役牌が捨てられたからという理由だけでポンをして、たかだか1000点にしかならない手を固めてしまい、同時に振り込みのリスクを自ら背追い込んでしまうことです。
今後は、鳴く前に4飜、あるいは最低でも3飜以上の役が付く形でスピーディにアガりを目指せる手なのかどうかを、ご自身でしっかり見極めてからポン・チーするようにしてみてください。

この記事へのコメント

コメントを送る

 
※ メールは公開されません
Loading... 画像の文字を入力してください